第 44 回 802 ちず楽会
日時:2024 年 11 月 24 日(日)13:00 集合
集合場所:JR 八高線 小宮駅改札口(八王子駅 12:39 発、1 番線川越行に乗車)
散策コース:小宮駅→石川→宮下→青木→宇津木→左入→滝山→八王子駅
【古甲州道】
戦国時代以前の武蔵府中と甲斐府中(現在の東京都府中市から山梨県甲府市酒折まで)を結ぶ武蔵国と甲州国との物資交流の要路で武田氏と後北条氏の戦いの道でもあった。古甲州道は、府中市から日野市万願寺付近で多摩川を渡り、日野市の北を多摩川沿いに八王子市小宮に向かい、小宮から谷地川沿いに加住丘陵の裾を滝山、戸吹、五日市に向かう。五日市から秋山川沿いに檜原村、小菅村、大菩薩峠を越え、山梨県に入る道だが、現在では詳細なルートは分かっていない。武蔵と甲州を結ぶ道は、江戸時代に日本橋から諏訪市を結ぶ甲州街道が五街道のひとつとなり、八王子、大垂水峠、小仏峠、笹子峠を越え、山梨に入るルートになり、甲州道は次第に使われなくなった。
【小宮駅周辺】
JR 八高線小宮駅周辺は、かつて「粟ノ須」と呼ばれていた地区。JR 八高線が開通したのは、大正 14 年、昭和 5 年に刊行された 5 万分の
1 地形図「青梅」の図に現在の位置に「こみや」駅が描かれている。駅の南、北側の多摩大橋へ向かう道路の下には、開設当時から変わらない八高線の線路と南に向かう旧道が残っていた。
そこから歩道橋で八高線を渡り、北に向かうと、すぐに東福寺に着く。振り返ると、東福寺に接して八坂神社の小さな社殿が目に入る。これらの社寺は、南の八高線が走っている面より一段高い段丘の縁にある。
東福寺:東福寺の縁起は詳らかではないが、観音堂に安置されている笛継観音は、戦国時代末期小田原北条の出城となっていた滝山城主北条氏照の家臣で笛の名手、彦兵衛にまつわる逸話(笛の名手の家臣に秘蔵の笛を預けておいたが、この家臣の手落ちで壊してしまい、観音に祈ったところもとどおりに戻ったことが城主の氏照に伝わり、この観音像の霊威に感銘し、以降、この家臣は「笛彦兵衛」と名乗ることを許されたという。)が残されている。
もっとも、参加はこの観音堂より、庭の片隅にある跨ぎ石(この石を跨ぐと子宝に恵まれるという。)の方に興味を覚えたようだった。(2013 05 11、2024
10 27)
【石川】
石川の牧:延喜式の京都政府左右馬寮直轄の牧として、武蔵には石川、由比、小川、立野の4牧が置かれたことが記されており、この内の石川の牧がこの辺りにあったと推定されている。石川の牧からは毎年 10 頭の良馬が献上されていたという。このほか、八王子では由比の牧が元八王子に推定されている。
宮下地区
御嶽神社:徳川時代は7石の朱印をいただいていたというが、由緒はほとんどわかっていない。
西連寺(金剛山薬王院):宇津木竜光寺の末寺で新義真言宗の寺院。開山は元周法師と伝わる。「薬王院」は高尾山、「西連寺」は叶谷町にもあり、両寺院とも真言宗だが関係は不明。
神明社:神明社は、各地に散在した伊勢神宮の御領地に、神宮側で建てられたものと、伊勢神宮を崇敬する人によって建てられたものがあり、前者は鎌倉時代以前から、後者は室町時代になってからといわれるが、当社も前回訪れた東光寺神明社と同様後者であろう。
【宇津木】
青木地区:この集落の道には古道の面影が残っている。小田原北条時代には、子安村から北武蔵に通ずる街道が通っていた。
竜光寺(増宝山密厳院または神護院):山城醍醐無量寿院の末寺で新義真言宗の寺院。中興開山は清雅上人。北条氏照に伊豆天城山から招かれ永禄中に興立したと伝わる。この寺の庭には、丈五尺四寸ほどの文和二年癸巳十一月二十一日の板碑がある。
埼玉神社:由緒は不明だが、徳川時代は竜光寺がこの社の別当であった。
八王子千人同心は、1652 年から家康を祀る日光東照宮を警備する日光勤番が任務となり、警備に向かう際に、この神社に立ち寄り任務遂行を祈願して、日光へと向かったという。
日光道:八王子の八日市と日光を結ぶ江戸時代の街道。千人同心が日光勤番のために通った道。
【左入】
徳川時代に武田の家臣だった西山十右衛門昌俊の知行となり、日光往還の傍に屋敷があった。近世までここを御代官と呼び小峰氏が住んでいた。丘陵中腹には薬師堂がある。
【滝山】
横山・八日市・滝山:新編武蔵風土記稿や武蔵名所図会に横山・八日市・滝山は、江戸時代の八王子の横山、八日市、八幡の 3 宿の旧地とされているが、正保や元禄時代の地図には八日市と横山を谷地村と記載してあるという。滝山は、横山・八日市・滝山の他に、尾崎、星谷等を合わせた地名という。丘陵中腹には御岳神社と稲荷社があり、山頂近くには少林寺がある。
少林寺:(金龍山)上椚田高乗寺の末寺で曹洞宗の寺院。元亀二(1571)年に北条氏照が開基した寺と伝わり、氏照から拝領した鞍、鐙や氏照の妻比佐が寄進した茶臼。茶釜などが寺宝になっている。氏照の住居だったとも伝わり、現在も檀家の
7 割が北条家家臣の末裔という。
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散策コースの地図(PDF)

小宮の石仏

八坂神社

東福寺 笛継観音

小宮南部の祠

谷治川近くの地蔵

旧河道近くの祠

谷治川の旧河道

石川町の地蔵

地蔵傍の六地蔵

西連寺

西連寺本堂

西連寺薬師堂

西連寺境内の石仏

神明社鳥居

神明社

神明社近くの祠

神明社近くの祠

龍光寺本堂

龍光寺不動堂

龍光寺納札所

埼玉神社鳥居

埼玉神社拝殿

崎玉神社拝殿

崎玉神社に合祀された祠
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