滝山城址の桜(宇津木台~滝山城址)2019 04 07

第30回802ちず楽会
日程:平成31年4月7日(日)12時20分
集合場所:JR八王子駅 改札口付近
散策コース
JR八王子駅→(バス)→宇津木台バス停→滝山城入口(国道16号)→加住丘陵の尾根道→古峯ヶ原→九本桜→家臣の屋敷跡→大池跡→二の丸址→中の丸址→本丸址→金刀比羅神社→千畳敷→三の丸跡→小宮曲輪→滝山城址バス停→(バス)→JR八王子駅

(古峯ヶ原)
 少林寺を出てきた道を尾根まで戻り、再び尾根道を西に向かう。この辺りが古峯ヶ原(こぶがはら)と呼ばれる地域で、桜の新緑に朱色の山ツツジが映えて美しい。山ツツジの尾根道が切れた南側には遠くに丹沢の山を望み、近くの丘陵の中には創価大学の白い建物が目につく。更に尾根道を進むと桜が群生する緩やかな谷あり、その道沿いに根元から沢山の幹が分岐している桜が目につく。幹の一本に「九本桜」と書かれた札が付けられていた。数えると確かに幹が9本あった。

(家臣の屋敷跡)
 桜の谷を越えると「都立滝山公園」の案内柱があり、いよいよ滝山城址に入る。入口には引橋があり、橋の下は空堀になっており、土塁も見られる。道の北側にはカゾノ屋敷、刑部屋敷、信濃屋敷など重臣たちの屋敷跡があり、南側の下には大池跡がある。

(二の丸址)
 家臣の屋敷から城郭へ入るところ、道の北側には東馬出(うまだし)、南側には大馬出と呼ばれる兵が出て守るための広場があり、両馬出を繋ぐ陸橋は行き止まり廓(くるわ)となっていて、古峯ヶ原方面から侵入した敵はここで挟み内になり、逃げられなくなる構造になっている。
 東馬出から北側の中の丸に向かう途中に武田勝頼の軍勢がここまで押し寄せたという二の丸がある。

(中の丸址)
 現在は中の丸跡と言っているが、滝山城古図等ではここを千畳敷としており、現在千畳敷と呼ばれている所よりも広い平坦面となっている。
 中の丸は、広く平坦な敷地が広がり、北の端の展望所からは多摩川方面が一望できる。
 多摩川に面する斜面はかなりの急斜面だが、下を見下ろすと数段の腰郭が見られ、防備のための細やかな設備が随所に見られる。
 この敷地の北寄りにある建物は旧国民宿舎「滝山荘」で、今は使用されていないが今回参加のMさんは小学生の頃、ここにに宿泊した記憶があるという。
 中の丸の西側の本丸との間は深い空堀で区切られており、空堀には引橋が架けられている。

(本丸址)
 引橋を渡ったところが枡型虎口になっており、右と左に直角に曲がった先が本丸の入口に当たる。本丸の入口には、「史跡滝山城址」と掘られた石柱の碑と滝山城の由来を記した「瀧山城本丸跡の碑」が並んでいる。
 「瀧山城本丸跡の碑」碑文
 「此の城は関東の名城といわれ、天文五年(一五三六)北条氏康、同二十一年(一五五二)上杉謙信、永禄十二年(一五六九)武田信玄の諸豪からの猛攻を受けている。
 大永元年(一五二一)始めて、大石定重之を築き、定久之を受け、ついで北条氏照の居城となった。尚、この城の城下町は八王子市の発祥地である。」
 本丸跡の西南隅には、古井戸があり、周囲には土塁が巡っている。南隅には滝山城址を世に知らせた地元の郷土史家沢井益三の句碑「多摩川の吹き上げて夏木立」がある。北側の高台にある霞神社の石段下には、霞神社建設記念碑がある。横の石段を上がると、新しい社殿があり、社殿の左手には新しい霞神社由緒と改築記念碑が建立されている。霞神社社殿の裏手は城郭の最上段に当たり、北側には金刀比羅神社がある。金刀比羅神社は、滝山城址の古地図や明治初期の地形図にも記載されており、元の参道は東の急斜面の石段を登る道である。この平坦地の北隅からは、奥多摩の山々を望むことができ、武蔵名所図会にもここからの景色が描かれている。
 この展望所のところで、今回参加メンバーで記念撮影をし、来た道を二の丸まで戻る。途中、改めて引橋、や空堀、土塁などの遺構を確認する。

(千畳敷)
 二の丸から三の丸に向かう途中に周囲を木々囲まれた広い敷地がある。現在はここを千畳敷きと呼んでいる。
 千畳敷の東側、二の丸へ向かう箇所には守備兵による守りの拠点となる馬出があり、容易には二の丸に行けない構造になっている。

(三の丸跡から出口まで)
 千畳敷から下り、左手の台地の上が三の丸跡で、滝山城祉の説明版がある。さらに少し下ると右手に小宮郭の空堀が現れる。堀の入口には馬頭観音の碑があり、角を左に曲がると三の丸の下の平坦地に朱塗りの小さな社があり、堀割の坂道を下れば城の出口(本来はこちらが入口)になる。

小宮曲輪
 滝山城址への入口付近は、伊能図に描かれた峠越え道で薬研堀になっていて古い街道の面影が残っている。この薬研堀の壁を階段状に整備された道を尾根まで登ると、クヌギやコナラに囲まれた平坦な道が続く。尾根道は新緑の木漏れ日が心地よかった。

 

散策コースの地図(PDF)


宇津木台の桜


滝山城登り口


滝山城登り口の道


尾根に上がる


滝山城への尾根道


尾根道北側の桜


尾根道途中の休憩所


尾根道途中の休憩所


尾根道沿いの桜


根本から伐られた桜



尾根道を歩く


北側斜面


北側斜面の桜


尾根道の木々


南側斜面の桜


南側尾根の桜


南側尾根の桜


大池上部の尾根道


南側斜面の桜


家臣屋敷跡付近


尾根を切る空堀


千畳敷にある旧国民宿舎


千畳敷の桜


千畳敷から多摩川を臨む


千畳敷北斜面の桜


引橋


引橋下の堀


本丸


本丸


本丸


本丸南の古井戸


金毘羅社再建の碑


金毘羅社再建の碑


金毘羅社の桜


二の丸下の道


二の丸下の道


中の丸


中の丸から小宮曲輪を臨む


中の丸の土塁


中の丸


中の丸の土塁


中の丸の空堀


三の丸





小宮曲輪の空堀


小宮曲輪の空堀


馬頭観音


滝山城入り口の桜

 

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